2018年6月20日水曜日

創薬の現在と未来の可能性を秘める医療スタイルとは

創薬とは、言葉通り、薬を創る事です。

薬を創る事は簡単な事ではなく、様々な研究を重ね、開発、実験、治験、審査を行う必要があります。

では、そんな創薬の現在と未来について紹介します。


薬の歴史について

人類が薬を服用するようになったのは、はるか昔の話です。

古代中国で、薬草や天然物を用いて、病気を治す漢方薬がお薬の始まりだと言われています。
そして、その後18世紀になり、西洋医学の発展の中で西洋薬が服用されるようになります。
薬の歴史の中でも、画期的な発見は、ペニシリンとインスリンの発見だと言えるでしょう。

特にインスリンの発見により、人類はバイオを用いた医薬品を創る事が可能になったからです。

そしてその後、バイオ医療はますます進化し、遺伝子や人工細胞を用いた新薬の開発が行われているのが現状です。

成功率が低い理由

新薬を開発する事は、非常に大変な事です。

たくさんのお金と時間を費やして、新薬の開発を行っても、その新薬の治験の段階で、有効性が認められない、副作用が多いという結果になれば、商品化する事ができず、イチからやり直しとなってしまうからです。
そして成功率はわずか3万分の1しかないと言われています。

多くの化学物質の中から、新薬のタネを見つけ出し、論理上は効果があると考えられても、実際に効果があるかどうかは、試してみないと分からない。
言葉は悪いですが、従来の新薬とは机上の論理に過ぎなかったわけです。

ですが、近年になり、少しずつ成功率に変化が見られるようになってきています。

それは、コンピューター技術の進歩によるものです。
コンピューターの段階で、様々なシュミレーションが行われ、実験をするまでもなく、有効性がないと判断されたものは除外されるようになります。
そのため新薬のタネをスクリーニングする段階で、かなり芽が生える可能性の高いタネを選ぶ事が可能になったのです。
また人の手で行われるよりも、スピードが大幅にアップし、短期間での新薬の開発が可能になったのです。

創薬の未来について

先ほど紹介したように、今後ますますコンピューターの技術は進歩し、さらに精度の高いスクリーニングが行えるようになるはずです。
加えて、AI(人工知能)を活用するようになり、莫大な時間がかかっていた新薬の開発スピードは大幅に短縮する事が可能になります。
そしてバイオの進化も目覚ましいものがあります。

遺伝子や再生医療、ips細胞を用いた新薬の開発により、個人個人に効果的で、副作用が少ない新薬が開発されていくでしょう。
今後目指すは、個別化医療です。
さらに、病気になる前に治療を行う未病治療にも、力を入れていくはずですから、未来の私たちは、病気にかかりにくくなり、病気になっても短期で副作用の心配もなく、完治する、そんな時代になっていると嬉しいですよね。

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未病治療に大きく貢献する創薬の期待度

医薬品とは、病気になってから服用するモノだと思っている人は多いでしょう。

しかし、病気になってから薬物治療をするよりも、病気になる前の未病の状態で健康を維持するという考え方の方が理に適っています。

なので、未病治療のための創薬に大きな期待がかかっています。

創薬の研究により未病治療の発展に繋がる

未病とは、ちょっとした身体の不調な状態の事です。

例えば食欲がない、疲れが取れない、身体がダルい、よく眠れないなどの症状は多かれ少なかれ、誰でもあるのではないでしょうか?

未病の状態で、すぐに病院へ行くという人は少ないのが現状です。
しかし、未病とは、病気に向かっている状態の事です。

未病な状態を放置するという事は、病気になるのを待っていると同じ事なのです。
そして、未病医療、予防医療と呼ばれる分野の医療が注目されています。

将来的にどんな病気にかかりやすいかは、遺伝子情報を調べる事で分かる時代になっています。
病気を予防する未病という考え方は、昔からありますが、食生活を中心とした、生活習慣を改善する事で、健康を維持する考え方が主流でした。
ですが、生活習慣を改善して健康に気遣っていても、病気になる時はなってしまうものです。
それなら、将来的に発病するリスクが高い病気に対しては、未病治療として、治療薬を服用しておけば、発病しないのでは?

と考え、認知症やがんを予防するための創薬の研究が進められ、実用化を目指している最中です。

現在の未病治療には生薬と薬酒

未病治療のための創薬は、現在実用化を目指して研究が進められています。

しかし、現時点では、まだ未病を治療するための新薬は存在しません。

ですが、新薬が実用化されるまでに、どれぐらいの期間がかかるか、全く予想がつきません。
今、未病状態の人が、このまま新薬の実用化を待って、何も対処をしなければ、新薬が完成するよりも、先に病気が発病してしまう可能性の方が高いと言えます。

なので、現時点で未病治療を行おうと思ったら、漢方薬の生薬や薬酒を利用する事をお勧めします。

元々、漢方では、未病を改善するという考え方が主流です。
そして生薬は、組み合わせによって、様々な相乗効果が期待出来、効能の幅が広がります。

生薬は苦くて飲みずらいと感じる人には、生薬を溶かして飲みやすくした薬酒がお勧めです。

お酒の効果が身体の内側から温まるので、お酒と薬の相乗効果も期待できます。

AI技術を活用した創薬の今後

創薬は、時代と共にどんどん変化していきます。

2016年の12月に、NECは創薬事業に本格参入する事を発表しました。

NECの従来の事業と、新薬の開発は、一見無関係のように思えますが、どのような経緯があったのでしょうか?

AI技術を用いたNECが新薬を完成させるかも

NECがなぜ一見無関係の新薬の開発の事業に参入したのか、それにはこんな理由があります。

NECが技術開発を行っているAI(人工知能)を用いて、がん治療の新薬を実用化させようと考えているのです。

新薬を開発する一連の流れは、非常に手間がかかり、莫大な時間と莫大なお金がかかってしまいます。

それにも関わらず、新薬の開発の成功率は低いのですから、新薬を開発するという事はそれだけ大変な事なのです。
しかし、人の手で行われてきた事を、AI技術で行えば、何十倍も、何百倍も速いスピードで問題は解決できる可能性があります。

NECも、AI技術を用いて、5年以内に副作用の少ない新薬を完成させると宣言しています。

AI技術で第4の治療薬を目指す未来は明るい

AI技術を用いた新薬で、目指しているのは、第4の治療と呼ばれる薬です。

従来のがん治療法や、外科的治療でがんを除去したり、抗がん剤を投与したり、放射線治療が一般的です。

しかし、これらの治療は全て、副作用が大きすぎて身体に大きな負担がかかってしまいます。
またがんの治療は初期の症状であれば、完治する確率は高いですが、発見が遅れ重度の症状に進行していたら、完治する可能性は低くなってしまいます。
そんながんの治療を、副作用が少ない新薬による免疫治療で完治を目指すのが第4の治療です。
体内にはがん細胞を攻撃するキラーリンパ球が存在し、新薬では、このキラーリンパ球を活性化させる薬を作りだそうとしているのです。
今までも、がん治療薬に新薬の開発は行われてきました。

ですが、免疫を活性化させるアミノ酸配列は5000億通りの中から、組み合わせを発見しなければいけません。

これを人の手で行っていれば、時間がいくらあっても足りません。

そこで、投入されるのがNECのAI技術だという事です。

今後は、NEC以外にも多くの企業で、AI技術を取り入れた新薬の開発が行われるようになるでしょう。
そしてAI技術を用いる事で、圧倒的に新薬開発までの時間の短縮と大幅なコスト削減が可能になります。

AI技術によって、創薬の歴史は、大きな変換期を迎えるかもしれませんね。

遺伝子や新薬開発にはバイオ創薬が注目されている

バイオという言葉の意味は、バイオテクノロジーの略語で、生物の持つ働きを人々の生活に役立てる技術の事です。

バイオの技術が、農業、食品、医療など様々なジャンルで応用されています。

特にバイオを新しい新薬の開発に、応用する事をバイオ創薬と呼びます。

開発期間が大幅に短縮する可能性

バイオ医薬品の中でも、今注目を集めているジャンルが、遺伝子です。

病気の原因になる遺伝子や遺伝子のタンパク質の情報を調べる事で、分子や抗体から新薬を創る事が可能です。

遺伝子には、たくさんの情報量が組み込まれていますが、そのデータベースをコンピューターを用いて解析します。

そして、遺伝子情報を元に作られた新薬は、副作用が少なく、効果が高い画期的な新薬となる訳です。
また、新薬の開発に遺伝子情報を活用する事で、病気に関する遺伝子を特定し、ターゲットを絞り込む事ができるので、開発期間が大幅に短縮する事が可能になり、また成功率もアップする事が可能になります。
遺伝子を新薬に活用する事で、対象が広がり、1万種類以上の新薬を作れると想定されています。

それは、医療の大きな進歩に繋がると言えるでしょう。

バイオ創薬の可能性次第では国全体の抱えている問題を解決できるかも

バイオは、様々な可能性を占めているジャンルです。

例えば、再生医療や、ips細胞など、自分の細胞を使った治療や、人工的に作られた多能性幹細胞を使った治療の事です。

自分の細胞を使用すれば、体内に取り入れた際に、拒否反応を起こす事はありません。

またノーベル賞を受賞したips細胞は、あらゆる生体組織に成長する事ができる画期的な人工細胞です。

そのため、すでに成熟してしまった細胞に対し、細胞の初期化を促す事が可能になるため、再生医療や新薬の開発に大きな影響を与える事になると考えられています。
このように、医療のジャンルは、1人1人の個人に対応した個別化医療の道を進んでいるのです。

個別化医療のメリットは、まず患者にとっては効果的治療、副作用の少ない治療を受けられる事です。

医師にとっては、患者に最適な治療を行う事ができるので、病気が早く治ります。

そうすると国の医療費の大幅な削減が可能になり、病気が改善した人が社会で再び働けるようになる事で、労働人口を増やす事ができるという事になり、国全体の抱えている問題を解決できるかもしれないのです。

創薬の過程や活用する創薬ブースターなど

創薬という言葉の意味は、その漢字通り、薬を創る一連の過程の事です。

新薬を創るという事は、並大抵の事ではありません。

では、どうやって創薬はできるのか、一連の過程について紹介します。

進化するAI技術や人工ロボットが活躍する時代

新薬を開発するためには、まず化学合成物質や天然物を原料とした薬のタネを作る事からスタートします。

この薬のタネが持つ薬の作用をスクリーニングを行い、選定されます。

選定は、最新技術を用いて行われ、コンピューターを用いて化学構造設計を行ったり、ゲノムやバイオテクノロジーの技術も駆使されます。
最近では、選定にAI技術などのロボットを用いて行うケースも増えてきています。
選定後は、動物実験を行う事で、新薬の持つ有効性や安全性の確認を行います。

そして、動物実験が終わると、人に対して治験が行われます。

治験で有効性、安全性が確認されると、製薬会社は、厚生労働省に新薬の製造承認の申請を行います。
厚生労働省の申請に通れば、薬事・食品衛生審議会と呼ばれる機関で、さらに厳密な審査を行い、審査に通れば医薬品として、市販する事ができます。
1つの新薬が開発されるまでには、何年も何十年も年月がかかり、莫大なお金もかかるのが現状です。

また、動物実験や治験で、有効性が確認できず、新薬にならなかった薬のタネもたくさん存在し、成功率は低いと言えます。

最新技術を用いても、なかなか成功率が上がらないのが、今後の大きな課題となっています。

つまり、現在市販されている医薬品も全て、一連の過程を得て創られた結果なのです。

創薬ブースターについて

新薬を創るためには、膨大な時間と膨大なお金がかかると、先ほど紹介しました。

そのため、製薬会社だけで、新薬を創る事は難しいと言えます。
そんな時に活用したい機関が創薬ブースターなのです。
新薬を創るために必要な知財戦略、研究戦略に基づき、理化学研究所や栄養研究所、産業技術総合研究所などの、適した機関の技術や設備を活用できるよう、サポートを行う機関の事です。

このサポートを活用する事で、新薬を医薬品として、実用化した例は少なくありません。

サポートの支援対象は、大学や公的研究機関で、薬のタネの実用化の可能性が高いと評価されている事が条件となります。

支援サポートにかかる経費は、原則として、機関側が負担する事になっています。

創薬の成功率は3万分の1と極めて低い

創薬が開発され、完成するまでには、膨大な時間と莫大なお金がかかると言われています。

しかし、これだけ時間をお金をかけても、成功率はすごく低いのです。

どれぐらい低いのかというと、なんと成功率は3万分の1と言われています。

創薬のプロセスを役割分担する

1つの新薬が完成するのに、平均で10年以上の年月と数百億円以上の開発費が必要と言われています。

つまり、新薬を開発する企業は、多額の資金力と強固な経営基盤が存在しなければ、不可能だという事です。

しかも、成功率は3万分の1ですから、成功する保証もどこにもありません。
そのため、1つの企業で全てを負担するのは、厳しいのが現状で、役割分担する企業も登場しています。

どういう事かというと、バイオベンチャーの企業が、研究開発を行い、その新薬の候補の中から、医療ニーズの高いモノ、成功率の高そうな新薬を買取り、臨床試験と、承認、販売までを行う企業に分担するのです。
役割分担をする事で、前者の企業は臨床試験、承認、販売などに時間を取られる事無く、新薬の研究に専念できるのです。

後者の企業は、自社で研究所を持つ必要がなくなるため、大幅な経費削減となります。

それぞれが得意分野に専念する事が出来る為、新薬開発までの期間が短縮され、コストも削減する事が可能になります。

成功率をアップするために

バイオベンチャー企業は、世界で4000社ほどあると言われています。

ですが、新薬の開発が上手くいかず、その多くは次々と倒産し、また新しいベンチャー企業が設立している現状です。

倒産していないベンチャー企業でも、90%以上の企業は赤字経営という実態があります。
その原因は、3万分の1と言われる新薬の成功率の低さにあります。

ですが、先ほど紹介したように、プロセスを役割分担する事で、リスクを抑える事が出来、結果として成功率のアップにつながります。
またベンチャー企業の方も、新薬を開発するためのプロセスの中で、新薬のタネを作る段階で、スクリーニングを行うコンピューターシステムの機能の向上や、AI技術の進化に伴い、成功率の高い新薬の開発が期待されています。

「昔は成功率が3万分の1だった」「そんな状況考えられない」と言われる時代が近い将来に訪れて、病気で苦しむ人が新薬により大幅に減少する、そんな時代になって欲しいですよね。

創薬の歴史をさかのぼり見えてくるもの

創薬の開発の歴史を見る事は、社会問題の歴史を見る事と同じ事なのかもしれません。

日本は今年、新生児の数が100年ぶりに100万人を切り、人口減少に歯止めがかかりません。

そして、男性の勃起不全や女性の不妊症の新薬に期待が高まっています。

創薬の歴史について

薬はいつ頃から服用されているのかというと、非常に長い歴史があります。

歴史の長さで言えば、西洋薬よりも漢方薬の方が長くなり、薬草や天然物を用いて、病気の症状を改善させてきました。
西洋薬が使用されるようになったのは、18世紀後半頃からです。

薬学に化学的な知識が導入されるようになり、薬物も天然物から有効成分を抽出し、化学合成を行い製造するようになります。
日本に西洋薬の薬の知識が伝わったのは、明治初期です。

当時は、ドイツ医学が最も最新の医学と言われていて、ドイツで医学を学んだ長井博士が、東京帝京大学で薬化学教室で、ドイツ医学を教えるようになり、日本の医学が向上したと言われています。
日本独自で新薬を開発するようになったのは、1887年にぜんそく治療薬からです。

創薬の歴史・20世紀以降

20世紀になると、薬理学では新しい概念が生まれます。
受容体という概念と、薬と生体の相互作用に関する概念です。
これらの概念に化学が融合する事で、医療品化学が誕生します。
特に世紀の大発見としては、20世紀半ばにペニシリンという抗生物質が発見された事です。

ペニシリンは、インフルエンザ、肺炎や感染症など、様々な用途で使用されています。
1953年に、DNAの二重らせん構造が発見さえ、2003年には、ヒトの遺伝子の全配列が解読されました。

そして遺伝子の情報を元に、発病の原因になる遺伝子を特定し、治療を行うゲノム創薬という考え方が確立する事になります。

コンピューターの技術も進歩し、コンピューターでシュミレーションを行う事で、新薬の成功率を上げ、短時間で完成を目指します。

また遺伝子の情報を活用する事で、1人1人個人の体質に合わせた効果的な薬、副作用がない薬を創れる可能性があり、今後の医薬品は大きな進化が期待されています。
ノーベル賞で話題になったips細胞の再生医療という考えは、新薬でも活用できないかと研究意欲が高まっています。

創薬の現在と未来の可能性を秘める医療スタイルとは

創薬とは、言葉通り、薬を創る事です。 薬を創る事は簡単な事ではなく、様々な研究を重ね、開発、実験、治験、審査を行う必要があります。 では、そんな創薬の現在と未来について紹介します。 薬の歴史について 人類が薬を服用するようになったのは、はるか昔の話です。 ...